顧客対応を効率化するコールセンター代行のメリットとデメリット

顧客からの電話やメールでのクレームや問い合わせなどの対応は多大なリソースを消費し、そればかりに時間を取られては本業が疎かになってしまいます。そこでコールセンター代行に委託すれば、業務を大幅に効率化することが可能です。

コールセンター代行に業務委託をすれば、メインの業務に集中できるようになり生産性を向上させられます。一方、様々な形態があることからそのサービスが最適なのか決めかねてしまうケースも少なくありません。そのためには自社の業務内容を切り分け、提供されているプランの中からマッチするものを見つけることが大切です。

ここではコールセンター代行を利用するのに最適な業務や、導入することで得られるメリットやデメリットについて探っていきます。

ノンコア業務を委託してコア業務に集中する

コールセンター 代行

売上に直結するものをコア業務と呼ぶのに対し、直接売上には関与しないものをノンコア業務と呼びます。例えば商品の売り込みをして商談成立をして売り上げの計上を目指す営業活動がコア業務で、顧客からの問い合わせやクレームを受け付けるカスタマーサービスがノンコア業務にあたります。

専門部門のコールセンターを用意できる場合は良いですが、大半の中小零細企業の場合は従業員が両方の業務を兼務しているケースがほとんどです。ここでサポート業務にリソースを割いてしまった場合、本来行うべき営業活動ができずに売り上げに大きな影響を与えてしまいます。

そこで各種サポート業務をコールセンター代行に委託することで従業員は営業活動に集中することができ、より高い売り上げを達成できる可能性を広げます。このようなシステムを構築できればコールセンターの担当者のみでは手に負えないほんの僅かなケースを除き、従業員は本来行うべき本業にリソースを全力で注ぐことができ、生産性を飛躍的に伸ばせるようになります。

コールセンター代行に任せられる業務

コールセンター代行では、関係する業務の多くを委託できます。商品の発注や受注からはじまり、カスタマーサポートに至るまで、電話やメールによる顧客からの問い合わせを全般的に請け負ってくれます。

それらを軸に、顧客へのアンケートやマーケティングリサーチ、クレーム対応など柔軟なサービスが提供されているのも便利です。そんなコールセンター代行の利用をおすすめしたいケースには、多忙を極めるコア業務が既に存在しており、さらにこれらのノンコア業務を行うのが困難な企業があげられます。

また、新規にスタートアップした企業など、コールセンターのノウハウがない場合にも有効です。多くの企業では人手不足が続いており、ノンコア業務にリソースを割けない場合もあります。一方、コールセンター代行を導入することでコストの削減が図れるだけではなく、高品質なカスタマーサービスを顧客に提供できたり、拠点の無いエリアに委託したコールセンターを開設することで新規に顧客の開拓をすることもできます。

委託できる業務内容は大きく分けて2種類

コールセンター代行に委託できる業務は、大きく分けてインバウンド業務とアウトバウンド業務の2種類が用意されています。インバウンド業務は顧客からアプローチがあるもので、商品やサービスについて問い合わせ、受注、発注などがあります。

一方のアウトバウンド業務はコールセンター側から顧客へアプローチするもので、セールスマンの訪問を約束するためのアポイントメント、電話をかけて購買意欲や好感度などを探るアンケートや市場調査を行うテレマーケティングなどがあります。

コールセンター代行を請け負っている業者によって、全てがパッケージになっているサービスもあれば、インバウンド業務のみ、アウトバウンド業務のみ、あるいは必要な要素を選ぶことが可能なサービスなど選べるのが便利です。

大半のコールセンター代行では様々な業態に合わせて柔軟に対応してもらうことが可能で、相談すればコンサルティングで最適なプランが提案されます。これにより高品質なコールセンターを構築でき、コア業務に集中できます。

コールセンター代行の気になる費用を比較

コールセンター 代行

コールセンターは自社で設立する場合と、代行する場合で費用は大きく異なります。自社で設立する場合にはイニシャルコストとして機器を用意したり、電話回線やネット回線の敷設も必要になり、既存の設備がある場合で30万円程度、全てを一から揃えるには250万円程度とされています。

つづいてランニングコストでは、電話は数えきれないほどの回数をかけることから固定料金で契約するのが一般的ですが、一定回数を超えるとコールオーバー料金が加算され、月に70万円ほどになることがあります。さらにコールセンター向けのソフトウェアにはライセンス料が徴収され、平均的なサービスで年間50万円程度です。

一方、コールセンター代行の場合は自社でシステムを用意する必要が無いことからハードウェアに関しては0円とすることができ、自社の仕様に合わせるためにオペレーターへの研修におおよそ20万円から50万円がかかるのみです。

ランニングコストは電話の固定料金の月額70万円程度と、コールセンター代行のシステム利用料が1件あたり500円から1000円程度となります。このようにコールセンター代行に委託すれば、イニシャルコストとランニングコストを大幅に削減できることが分かります。

コールセンター代行を導入するメリット

料金体系には毎月受け入れられる件数に限りがあり、オーバーすると追加料金が発生する固定料金制と、その都度料金が発生する従量制があるほか、成果報酬制の場合は間違い電話など業務に繋がらない案件は料金に計上されないので、無駄な費用が発生しないのも安心です。

さらに設備投資や維持費を大幅に削減でき、トータルコストを抑えられるのがコールセンター代行を導入するメリットです。顧客からの問い合わせがあった場合、それに時間を取られてしまっては営業活動もままならないことがあります。

そんな時でもコールセンター代行に委託すれば従業員は売り上げに直結する営業活動のみに集中することができ、収益の向上が期待できます。何よりコールセンター代行は高品質なサービスに定評があり、顧客に対するビジネスマナーを身に付けているのはもちろんのこと、担当する企業のニーズに対して迅速に適応できるスピード感も見逃せません。業種や取扱商品、仕様やマニュアルを熟知して、プロの対応を見せてくれます。

ほんの僅かながら注意したいデメリットも

コールセンター代行は良いこと尽くめに思える素晴らしいサービスである一方で、ほんの僅かながら存在するデメリットも考えておくべきです。自社でコールセンターを設立する場合には、顧客からの問い合わせに対してどのようにすれば高い満足度を与えられるのかなどのノウハウが財産になります。

しかし、全てをコールセンター代行に任せてしまった場合、それらの貴重なノウハウが自社で蓄積することができません。また、顧客からの問い合わせにきめ細かく対応するためにはコールセンター代行の担当オペレーターに自社の特許技術や社外秘などを伝える必要がありますが、それらの機微情報が漏洩してしまうリスクは最小限にしたいところです。

大半のコールセンター代行では高いコンプライアンス意識を持ち、プライバシーマークやISOなどの取得をしていることから安心して任せることができますが、心配ならば職務で知り得た機密情報を一切口外しないなどの誓約書や契約書を取り交わすなどの対策をするのも重要です。

まとめ

コールセンター 代行

コールセンター代行は、特に自社で開設していない場合やノウハウを持っていないケース、あるいは中小零細など人手不足でリソースが割けないケースには、低コストで高品質なサービスを顧客に提供できる有用な手段であることが分かりました。

一方、自社でノウハウを蓄積できなかったり、情報漏洩のリスクも僅かながら存在し、コンプライアンス意識の高い業者を選ぶことも重要です。それらを踏まえてコールセンター代行を有効活用すれば、業務を大幅に効率化することが可能です。